緑の草原の上を飛ぶように泳ぐメダカ・・・素敵ですね!
前景草とは、アクアリウムにおける水草の分類の一つです。
透明な水槽を横から鑑賞するアクアリウムにおいては、水槽内のレイアウトにより『前景草』や『後景草』のように、水草の背丈で用途を分類しています。草丈の低い種類を前景として使い、奥に行くほど草丈の高い種類を配置して奥行き感を作ります。
今回ご紹介する前景草とは、草丈が低く草原のように広がる水草です。そして、メダカの屋外飼育容器で上手く育つのかということを検証してみたいと思います。
用意したのは3種類の前景草
メダカの草原を作るために、今回は3種類の水草を用意しました。
それぞれ見た目が違いますが、とても魅力的な水草です。
いずれも、ランナーという地下茎で次々と増えていくタイプですので、草原を実現するためには適した種類と言えます。
ショートヘアーグラス
前景草の代表格的なショートヘアーグラス。細い葉が茂る様は、本当に草原のようで美しい。その名の通り、草丈が低い品種で3~5㎝程度となります。
ただし、きれいな草原に仕上げるためにはCO2を添加したり、光量にも気を配る必要があります。成長も遅めと、難易度はやや高め。
このショートヘアーグラスですが、今回の検証をする前からすでに導入していました。半年間メダカのトロ舟で育ててみたところ何とか成長していました。色味は若干薄いかもしれませんが。
今回はこれを使って、より拡大していく予定です。
グロッソスティグマ
草丈が高くならず横に広がるグロッソスティグマ。特徴的なのは、その丸くて小さい葉です。カイワレ大根のようにも見えます。
育成の難易度は低い方なので、初心者でも簡単に育てられるという触れ込みで導入を決意しました。
ただし、光量が弱いと上に成長してしまうらしく、これがメダカ水槽でどのように育つのかを検証します。
コブラグラス
カールした葉がコブラの鎌首のように見えることから名づけられた水草。
草丈が3~8㎝と、今回用意した水草の中では大きい方です。ショートヘアーグラスよりも太く、濃い緑の葉が美しいのが特徴。前景草同士でも組み合わせることで立体感のあるレイアウトが作れます。
コブラグラスを選んだ最大のポイントは、丈夫であること。太い葉もそうですが根もしっかりしているとのことで、比較的強い水草となります。
CO2添加も特に必要無く、育成の難易度も低めとのことです。ただし、成長は遅いらしい。
水草の植え付けに用意したもの
水草を植え付けるにあたり、今回はストックすることを目的としています。なので、飼育容器に直接植え付けるのではなく、レイアウト変更などの移動を考慮して鉢に植えることにします。
今回用意したアイテムはこちら。
- 駄温鉢
- 赤玉土
- 水草用固形肥料
駄温鉢とは素焼きの鉢に似ていますが、保湿能力に優れているとのことです。ただし、それは関係なく、単に浅めの鉢が欲しかったので購入しました。
前景草の水草は、あまり深く根を張りません。3~5㎝程度土が入れば、容器は何でもいいと思います。
土は赤玉土を使用します。トロ舟ビオトープで使用した残りです。水の循環を促すために粒状のものがいいとのことで、もちろんソイルなどでも問題ありません。
今回、成長速度を上げるために水草用の固形肥料を導入しました。
水草肥料は、赤玉土やソイルなどに埋め込むことで、じわじわと溶けだして水草の成長を助けてくれるものです。
テトラのイニシャルスティックなどがメジャーかと思いますが、そんなに量が必要無いと思って9粒だけの商品を購入しました。これを植え付ける際に埋め込んでいきます。
水草の植え付け
まずは赤玉土を入れますが、土の流出を抑えるために鉢底ネットを敷きます。
半分程度敷き詰めたところで、水草肥料を配置します。その後、肥料を覆うように再び赤玉土を入れます。
この段階で、一度流水にさらします。赤玉土を安定させるとともに、微細な粒子を流しておきます。
いよいよ、水草の植え付けです。まずはショートヘアーグラスから。
多くの前景草がそうですが、それぞれの子株がランナーでつながっています。これをまずは数束ずつ切り分けていきます。切り分けたものを赤玉土に植えていきます。
植え付けにはピンセットを使用します。草丈の半分程度が埋まるぐらい、思い切って植え付けます。植え付けが浅いと、徐々に抜けてしまいますので、気持ち多めにするのがポイント。
それぞれの株が増えてきますので、ある程度間隔を開けてまんべんなく植え付けます。
本来、水中でやる作業ですが、鉢を使っているので陸上の方が作業性がいいのでオススメです。
水草のストックには水上葉という選択肢も
水草は水上でも育てることができるタイプがあります。これを水上葉といい、同じ種類でも水中と水上で見た目が変わるものもあります。
水草のストックには、水上葉を選択するという方も多いと思います。
水上葉のメリットはいくつかあります。
- スネールや病害虫が付きにくい
- 丈夫に早く育つ
- 管理がしやすい
ですが私の場合、ストックがついででメダカが泳ぐ水槽に水草があることの方が大きいのです。
このあたりは好みですので、水上葉でストックするのもいいと思います。
ただし、種類によっては水上葉だと冬越し出来ない可能性もあるということです。
まずは越冬できるかの検証
今回、3種の水草を植え付けたのが10月です。本来は水温の上がる春ごろから始めるのがいいのでしょうが、メダカの屋外水槽という過酷な条件で育てることが今回の目的。
その検証の意味も込めて、まずはこの冬を越せるかどうかで来シーズン以降の育成方法に生かそうと思いました。
冬までの間に、いくらか成長させて。おそらくその後に枯れると思います。そして春に再び芽吹くかどうかという検証です。
これを乗り越えたもので、来シーズンはメダカの草原を作りたいと思います。
前景草はどこで買うのか?
今回使用したショートヘアーグラス、グロッソスティグマ、コブラグラスの3種に関しては、全てメルカリなどのフリマサイトで購入しました。
アクアリストの中には、レイアウト変更で余った水草や、トリミングしたもの。あるいはストック用に管理している余りなどをメルカリやヤフオクで販売しているケースがあります。
品質にばらつきはありますが、ほとんどのものがお手頃価格で手に入ります。
それ以外の入手先としては、近所のアクアショップやホームセンター。ネット通販も種類が多くておすすめです。
水草を販売しているメーカーとして、私個人的にはトロピカがいいかなと思っています。
トロピカの特徴としてはカップに入った『1・2・Grow!』シリーズが有名ですが、これは組織培養で育てたものです。つまり、スネールなどの生体や病原菌が混入しにくいものになっています。
その分、お値段高めですが、きれいな水槽を維持したい方にはおすすめです。
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