イワダレソウ、ヒメイワダレソウ、クラピアその違いは?

何かいいグランドカバー植物は無いかと探していて、今回辿り着いたのはイワダレソウ。
そもそも、イワダレソウ、ヒメイワダレソウ、クラピアと何が違うのか?
今回はこれら3種について解説します。

目次

欲しかったのはナチュラルで控えめなグランドカバー

今回グランドカバーとして考えていたのは球根エリア。
球根の植物の足元を隠し、最盛期以外は土の部分を隠してくれるもの。
以前、公園で見た植物に憧れて探していました。

公園で見つけた植物

葉が小さく球根類の邪魔にならない。
それでいて程よく地面をカバーし、高低差のある所では枝垂れる。
まさに理想のグランドカバー。

名前がわからなかったので、グリーンスナップで質問を上げてみたところ「ヒメイワダレソウかも」とのこと。
ここから私の下調べが始まりました。

似てるけど違う3種のグランドカバー

ヒメイワダレソウで探していましたが、なかなか購入先が見つからない。
調べていくうちにイワダレソウ、クラピアというキーワードに当たりました。
この3つについて詳しく見ていきましょう。

ヒメイワダレソウ

ヒメイワダレソウは、北アメリカやヨーロッパなどに分布する多年草の植物。
日本には外来種として侵入し、国内各地で野生化しています。
環境省の生態系被害防止外来種リストに掲載されており、重点対策外来種に位置付けられています。
2023年現在、特定外来生物ではありませんが、甚大な被害が予想されることから対策の必要性が高いと判断されています。
庭園や公園などでの栽培や観賞目的での取り扱いは、特に法律で禁止されていませんが、種子や株を捨てることによる野生化の原因とならないように、適切に管理することが求められています。

生態系被害防止外来種リストのカテゴリー

イワダレソウ

イワダレソウ (岩垂草) は、日本を含むアジア地域に自生する多年草。
日本の在来種であり、法的には特に保護の対象とされていません。
そのため、庭園や公園、山野などでの栽培や観賞目的での取り扱いは自由です。
ただし、自然保護の観点から、野生化が進む前段階での早期発見・駆除が求められています。

クラピア

クラピア®は、国内に自生するイワダレソウを宇都宮大学の故倉持仁志先生が10余年の歳月をかけ品種改良して創り出した緑化植物(グランドカバー植物)です。クラピアは種苗法に基づき品種登録されています。
日本国内のイワダレソウ在来種同士を交配し、改良在来種であるクラピアS1(販売終了)が生み出されました。

クラピアとは

共通するのはグランドカバーとして使われる植物であり、繁殖力が旺盛であるということ。
特にヒメイワダレソウは外来種であり、流通が禁止されています。
在来種であるイワダレソウにおいても、侵食する可能性が高く取り扱いには注意が必要です。
そんなイワダレソウを園芸品種に改良したのがクラピアであり、グランドカバーはもちろん斜面の土を押さえる目的でも使用されます。

購入しやすいのはイワダレソウ

ヒメイワダレソウは一般的に流通していませんし、手に入ったとしても植えることはお勧めしません。
それに対して、在来種であるイワダレソウは園芸店で入手可能です。

では、園芸改良品種であるクラピアはどうでしょうか?
クラピアは品種登録されており、種苗法により守られています。
そのため、生産・流通に制限があり、全ての園芸店で取り扱いできるわけではありません。
実際、私の近所の園芸店やホームセンターなどで見かけたことは1度もありません。

よって、一般的にはイワダレソウが容易に購入できる品種となります。
私が購入したのはピンクの花が咲くようで、1ポット300円程度とお手頃。

園芸店で購入したイワダレソウ

イワダレソウを植える際の注意点

イワダレソウはグランドカバーに適した植物である反面、旺盛な繁殖力によって思いもしないエリアへ侵食する可能性を考えなければなりません。
コンクリートで囲まれた限定的なスペースでない限り、どこまでも広がっていきますので管理が必要です。

私は駐車場のコンクリートと建物に囲まれた狭いスペースに植えつけました。
一部砂利でつながっていますが、そこだけ管理すれば侵食は防げると考えています。

パンダスミレの代わりに1ポットだけ植え付け

もともと、パンダスミレのあったスペースですが、虫が付くので撤去。
可能な限り除去しましたが、地下茎が取りきれないのでイワダレソウとの戦いになります。
どのような勢力配分になるのか、観察していきたいと思います。

3か月後の勢力範囲

1ポットだけ植え付けたイワダレソウ。
3ヶ月たった現在、どのように勢力を拡大しているのか確認してみましょう。

イワダレソウの勢力範囲

エリアとしては5倍ぐらいまで拡大しています。
競合のパンダスミレは人為的に手を入れながら入れ替えを進めています。
パンダスミレが有力なエリアでは、なかなか侵食は進まないようですが、一度エリアを制圧するとイワダレソウの方が上の印象です。
雑草が生えてくるのを抑止する効果はあると思いますが、すでに生えている雑草を駆逐するほどの力はないのでしょうね。

イワダレソウの成長特性を考える

パンダスミレとイワダレソウは、どちらもグランドカバー向きの植物です。
次々とランナーを出して、エリアを拡大しながら成長します。

このランナーですが、パンダスミレとイワダレソウでは少し違いがあります。
パンダスミレのランナーは地下茎なので、地上には葉っぱと話か見えません。
一方、イワダレソウのランナーは上から覆いかぶさるように伸びていきます。
そういう意味でも、繁殖力はイワダレソウの方が上なのかもしれません。

イワダレソウのランナー

イワダレソウのランナーが地上部に出てくるタイプなので、石やコンクリートの障害物があっても覆いかぶさるように成長することができます。
逆に言えば、コンクリートの上にも伸びてくることになるので、場合によっては見苦しいかもしれません。
その時は、伸びた際の部分だけランナーをカットしてあげるといいでしょう。

ちなみにイワダレソウの花は、このようなピンクの花でした。

イワダレソウの花
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この記事を書いた人

瀬戸内でメダカ飼育やガーデニングを楽しんでいます。
まだまだ初心者ですが、一緒に楽しんでいただければ幸いです^^

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